20240602:49km:しまなみ海道と、うどんと、サンライズの旅 DAY2
2日目の朝、のんびり寝ていたら外から草刈り機の音が。表に出て話を聞くと、この日は年に一度、生口島の全体で掃除をする日とのこと。ドブさらいとか草取りを総出でやっている感じで、商店街のマンホールはすべて開けられて消防団の人がホースでガチ洗浄をされていました。5月の観光シーズンが終わり、梅雨の始まる前を狙っているんでしょう。
実は前日の疲れが出て、夜は発熱に苦しめられていました。ゲストハウスのオーナーに頭痛薬とお水を頂き、瀬戸田からフェリーを乗り継いで今治へ向かいます、と伝えました。
自転車に乗り始めたら、明るくなった瀬戸田の町を一周してみる気になりました。商店街を海へ抜けると、瀬戸田港です。
その向こうには、高いところに黄色い橋が通っています。
これは、隣の高根島へ渡る高根大橋です。眺めが良さそうなので行ってみようと思い、橋の上まで来ました。その風景がこれ。
中央に瀬戸田港が見えます。普段、平地で過ごしているので、こうやって少し走っただけで風景がダイナミックに変わるのが新鮮です。ここから、しおまち商店街の入口へ戻ってきました。自転車旅をここで終えるつもりだったので、積極的に店に立ち寄りました。
もうお店が開いていたので、朝食用にコロッケを買いました。お次はお土産を買うのに良さげなお店へ。
ここでレモンケーキとレモンぽん酢を購入し、自宅へ発送しました。店主と地元の人との飾らない会話が聞けたりして、それも楽しかった。あと、朝食用に焼きドーナツも入手。そして、次はここ。
ここは前日に店の前を通った時から店内に飾られていたジャージが気になっていたのです。ちょうど店主がいらっしゃって、店内へ招かれました。店主は埼玉の方で、瀬戸田との二拠点生活をされているとのこと。羨ましい!と思っていたら、見透かしたように「安く借りられる家もいっぱいあるよ」とのこと。リタイア後はそういう生活もいいかもしれないな、とちょっと考えてしまいました。ここでは店名の入ったジャージを購入。これまで距離を置いていた自転車乗り用のジャージに、ついに手を出してしまった...カッコよかったから仕方ない。
そして体調のことを話したら「伯方島から今治に向かう高速船が出ているから、そこまでゆっくり行ってみたら?生口島から伯方島までは風景がとても良いから」と勧められ、アドバイスに従うことにしました。このアドバイスが後で良い結果を招きます。
離れがたい気持ちに後ろ髪を引かれる思いで、瀬戸田を離れました。また右手に海を見ながら走ります。
瀬戸田地区から数km先には「瀬戸田サンセットビーチ」があります。本当なら夕刻に来るべきなんでしょうけど、仕方ない。
自転車小さい!オブジェ大きい!ここで、先ほど買っておいたコロッケをぱくり。かなり遅い朝食です。
写真は海岸が主役になってましたね。一休みしたら、また進みます。すると程なく、次の橋が見えてきました。
生口島と大三島をつなぐ橋です。そんなに高いところを通ってなさそうなのが嬉しいです。ゆっくりとスロープを上っていきますと、こんな場所が。
レモンのベンチがかわいい。多々羅大橋を望む素敵な場所にありました。さらに進むとレモン谷と呼ばれる場所に最近オープンした新名所が。
ここ「レモン谷テラス」さんでは、瀬戸田のレモンを目の前で直絞りしたソーダ水などが頂けます。前日のダメージを鎮めるべく、この日は積極的に冷たいもの・甘いものを摂取することにしました。
濃厚なレモンの酸味が身体に沁みていきます。最高の眺めの場所で、向栄堂さんのレモン味の焼きドーナツと一緒に頂くと、更に元気が湧いてきました。これでまた前に進める...!
ここから程なく、原付と歩行者・自転車の分岐点が。すぐに多々羅大橋を渡ることになりました。この橋の上に、広島県と愛媛県の県境があります。
それにしても多々羅大橋は高い!私の写真では高さがうまく伝わらないけども。
ということで、愛媛県最初の島、大三島(おおみしま)へ渡りました。スロープを下りてすぐの道の駅・多々羅しまなみ公園には、サイクリストの聖地という碑があります。
自転車乗りとして、ひとつ実績解除した感じです。
この日は日差しが弱く、自転車で走るのにはちょうど良かったです。朝はふわふわしてましたが、このあたりになると普通に走れるようになっていました。自転車は薬...!
しまなみ海道サイクリングロードは、大三島の東端を縦に横切る形となっています。本当なら大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)や伊東豊雄建築ミュージアムなど寄ってみたかったけど、そんな余裕は最初から無く、断念。おとなしくブルーラインに沿って進みます。
ほどなく、大三島橋への入口となりました。スロープを上ると橋の全景が。
この大三島橋は、自動車道と自転車道が柵1本で隔てられているだけで、非常に接近しています。自動車が高速で通り過ぎます。
伯方島へ渡りました。坂道を下りていくと造船所のクレーンが眼に入ってきました。
ここから少し南下すると、道の駅・伯方S.C.パークです。
写真にも写ってますが、ここで食べるべきは、これですね。
塩の確かなしょっぱさとミルクソフトの甘さが同時にやってくる、不思議な味わいでした。美味しくて、塩分補給もできるので、サイクリングには最適のスイーツですね。次に渡る、伯方・大島大橋を遠くに眺めながら頂きました。
そして、ここでは昼食もいただきました。
いりこベースと思われるあっさりお出汁に塩が効いていて、美味しかったです。ここからすぐに伯方・大島大橋への入口があり、ついにしまなみ海道最後の島、大島へ向かいます。
左に小さく見えるのは、能島。ここは村上海賊の居城として知られる島で、周囲は潮の流れが複雑で攻めにくい城だったそうです。今回はここもパスしましたが、余裕をもって観光したいと思いました。
大島へ渡りました。渡ってすぐの場所でパチリ。
遠くに、造船所や道の駅が小さく見えました。スロープを下る途中でも、渡ってきた橋が眼に入ってきました。
ブルーラインはここから大島の海岸を時計回りに進むのですが、ほどなく内陸へ進路を変えます。そう、ブルーラインは大島の中央を横断する形になっているのです。峠越えです。しまなみ海道サイクリングロードのなかでも一番の急所かと思います。
もくもくと、ゆっくりと上っていきます。そして、なんとか頂上へたどり着きました。
正午を過ぎ、日差しも強くなってきたので、しっかり目に休憩をしたら、一気に坂道を下ります。坂道に苦しんだ分だけ、気持ちいい!そして、いよいよしまなみ海道の最後の橋が見えてきました。
ついに、最後の橋までたどり着きました。しまなみ海道で一番長い橋、ラスボス感がすごいです。橋の手前にある道の駅・よしうみいきいき館で最後の休憩を取ることにしました。
ここで14時過ぎ。暑さがピークだったので、冷たいものをしっかり摂取して、最後の橋に備えました。来島海峡大橋は総延長4.1km、なかなかに長い距離を一気に渡ることになります。長いアプローチを上った先に、ついに来島海峡大橋が現れました。
地図を見ると、瀬戸内海を横に渡る航路のほとんどがこの来島海峡大橋の下を通るほど、来島海峡は海の交通の要所。なので、ひっきりなしに船が通っていくのが見えました。
この橋を渡り切ったら、しまなみ海道は終わり。そう思うと、ペダルを漕ぐ足を止めたくなってしまいました。でも、前に進みます。
しまなみ海道サイクリングロードの今治側の終点・始点は、ここサンライズ糸山となっています。なんとか、ブルーラインをすべて渡り切ることができました。
サンライズ糸山は展望レストランや売店などがある観光施設です。入口入った正面は大きなガラス張りでこの見晴らし。
さっき渡ってきた来島海峡大橋が大パノラマで観られます。ここでもお土産をゲット。
瀬戸内限定のC.C.レモンをゆっくりと頂いて、この日の宿に向かいました。今治駅前のJRクレメントイン今治です。JR四国ホテルグループという安心感よ。そして、ここは自転車を部屋まで持ち込める「サイクルシングル」という特別な部屋があるのです。
玄関にサイクルラックはあるわ、エレベーターにも自転車を持ち込めるわ、仏式に対応した空気入れのレンタルはあるわ、自転車乗りには至れり尽くせりのホテルです。玄関にはコーヒーサーバ・ティーサーバがあり、夜の時間帯は無料のドリンクラウンジまで。もし次回があれば、このホテルは間違いなくリピートします。
ひと休みしたら、夕食へ。この日も事前に調べてあった店で頂きました。
普通盛りですが、目玉焼きが2個、目玉焼きの下にはスライスされた焼豚がたっぷり、ご飯も大盛り。卵の黄身を崩しながら、かなり甘めのタレと焼豚とご飯を混ぜ混ぜにして頂くと、はい、口の中は幸せ。美味しかったです。
朝の段階では完走はとても難しいと思っていたのですが、何とかなりました。薬をくれたBed and Cafe ONZOのオーナー、CAFE VIA Shimanamiの店主のアドバイスのおかげですね。大感謝。途中で購入しておいた頭痛薬を飲んで、汗をしっかりかいて、次の日を迎えました。